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7.5点(レビュー数:2人)

作者沙村広明

巻数6巻 (連載中)

連載誌月刊アフタヌーン:2014年~ / 講談社

更新時刻 2016-01-29 20:52:18

あらすじ 舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ。

備考

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この漫画のレビュー

ラジオDJを下地に展開する、どこかサイケな四方山話。

地方のローカルラジオから展開するサクセスストーリーかと思いきや、意外とラジオ以外の話題や描写も多く、まだまだ序盤、導入の段階という雰囲気で、既刊2巻を読んだだけでは全体図や着地点を想像できません。作品の出発点は「ラジオと恋愛の漫画」だそうで、今後はそっちにウェイトを移していくでしょう。

「じゃあ手探り状態のこの漫画は面白いのか?」ということですが、凄く面白いです。肩の力を抜いて楽しく読める作品です。
主人公・ミナレはかなり愉快な感性を持った人物で、彼女というレンズを通して映る作中の日常はとても魅力的です。
1つの話題に対するミナレの考え方、リアクションは人間臭さとクレイジーさを併せ持っていて飽きませんし、軽快なテンポと独特のユーモアを織り込んだ会話の応酬が読者を作品世界に引き込みます。
全編通じて読み手を緊張させない漫画で、王道のギャグテイストではなくシニカル・シュール寄りの作品です。大人向けだと思います。

地方ラジオを主軸に置いた漫画作品は珍しいですし、ラジオ界隈のトリビア収集だけでなく、大人な恋愛や奇抜な登場人物、少しズレた人間関係といった多様な要素も内包しながら展開するであろう今作に期待を禁じえません。
安易な萌えに流されない沙村作画も健在で、キャッチーな表紙もポイントです。

少しコアな印象がありますが、だからこそ漫画好きに薦めたいタイトルです!


3巻以降の展開で必要を感じれば追記するかもしれません。
漫画大賞2016 6位入賞作品('16/6/30時点 既刊2巻)

ナイスレビュー: 2

[投稿:2016-06-30 01:33:57] [修正:2016-06-30 01:33:57]

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