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7点(レビュー数:9人)

作者楳図かずお

巻数4巻 (完結)

連載誌少女コミック:1975年~ / 小学館

更新時刻 2011-08-27 01:10:09

あらすじ 永遠の聖美女とうたわれた女優・若草いずみ。だが、その素顔には醜いアザやしわが広がっていた。絶望のあまり狂乱するいずみに主治医の村上は何事かを告げる……。いずみは娘を産んだ。その後、彼女の行方は杳として知れない。時は過ぎる。ある街に母娘が睦まじく暮らしていた。醜い姿となったいずみと、美しく育った娘さくらである。失われた美と若さへの欲望にまみれたいずみの、悪魔のような計画が静かに進行していた。

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この漫画のレビュー

6点 ジブリ好き!さん

怖い。

ホラーのような目に見える恐怖はあくまでグロテスクの代名詞な画が引き出しているのであって、その本質は人の心(特に女性の心理)の怖さを描き切っていることです。

「わたしは真悟」や「漂流教室」とはまた違った絵柄ですごいです。作風ごとに絵柄を変えられるとはなんという技量。でも今作はどちらかと言うとホラーよりの絵柄なので、静止の中で怖さを体現する楳図さんの技法では人の動きが弱くなり、かくかくな印象が目立ちました。
あと、オチが読めてしまった…もちろん、「今でこそ」だと思います。いくらか、同じパターンの作品を知っていましたが、たぶんそれらはこの作品より後の作品かと。この作品内でも、いくらか矛盾はありますが、そう長い作品ではありませんので勢いが勝ります。

人の心の闇の更に深淵…それがホラーをもしのぐ恐怖を生み出す物語。

エピローグは、プロローグの母親と娘をほぼそのまま神と人に置換えた言葉で締められます。

神にとって人とは何か?
人にとって神とは何か?
そして……
神は人に何を与えたか?

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-13 23:48:47] [修正:2010-09-13 23:48:47]

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