ホーム > 不明 > ガロ > カムイ伝(第一部)

7.75点(レビュー数:8人)

作者白土三平

巻数15巻 (完結)

連載誌ガロ:1964年~ / 青林堂

更新時刻 2011-07-30 22:21:53

あらすじ カムイは主人公である忍者、およびサブストーリーとして語られる狼の名前である。
大まかに分けて3つの話があり、
それぞれが並行して描かれていく。

?々掌曜詆椶砲茲蠍靴靴た畔?差別が行われていた時代。非人出身であったカムイはその身分制度のしがらみからの脱却を図り、公儀隠密の下忍となり、「夙のカムイ」の二つ名を持つ。しかしカムイは、日置領における任務遂行の結果として、徳川家康の出自についての秘密を発見してしまう。知るべからざる秘密を知ってしまったカムイは、以後仲間の公儀隠密らにより命を狙われることになり、止むにやまれず「抜け忍」となって、阿修羅の如き闘いの道を歩むことになるのだった・・・


?▲?ムイの姉ナナの夫となった下人の正助は仲間たちを指導して綿の栽培に着手し、土地の生産性を高めて百姓の生活を高めようとしたが、代官と結託したあくどい商人の妨害などにより頓挫させられる。これに対して正助たちは大一揆を起こそうとする・・・


??才色兼備で誠実な青年剣士、草加竜之進は日置藩の次席家老の嫡子である。若くして剣の腕が立ち周囲から前途有望と目されていたが、橘軍太夫との勢力争いのために家老である父の草加勘兵衛が失脚、一門すべて殲滅され失意に堕ちる。父の遺言に従い自らは脱藩し、浪人の身となり復讐の機を狙うが・・・

備考 のちに週刊少年サンデー、ビッグコミックに、続編『カムイ外伝』そしてその続編『カムイ伝 第二部』が描かれている。

2006年現在、いまだ未完である。カムイ伝は全三部作であると白土は述べている。しかも、既にこれほどのサーガが描かれながら真のテーマはまだ描かれていないとまで言及している。

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この漫画のレビュー

10点 朔太さん

漫画が文化の一つとは誰も認めなかった時代に、白土三平の
孤独な試行錯誤がありました。
50年以上の月日が経って、サブカルチャーとしての漫画が
確立された今、同じ視線で評価を与えることは難しいです。

彼らの時代背景を考えれば、娯楽としての作品作りを
目指していたはずであり、決して高尚な歴史小説まがいの
作品を志向していたはずもないでしょう。
商業的な成功を目指していたはずであり、雑誌の廃刊を
最も恐れながらの活動であったはずです。
にもかかわらず、社会の底辺にある問題提議や深淵な
人間の営みの不可思議さ、いわば曼荼羅模様の世界感を
表現し、品格ある文学作品に仕上げています。
壮大な大陸の開拓者でありながら、先駆的な求道者を
連想させる作者に頭が下がる思いです。

数百年後の今に残る商業的絵画が人類の資産と呼ばれる
ように、カムイ伝もまた後世で同様な評価を得るように
なるように思います。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-11-07 18:01:01] [修正:2017-11-07 18:01:01]

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