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6.16点(レビュー数:6人)

作者東村アキコ

巻数13巻 (完結)

連載誌モーニング:2006年~ / 講談社

更新時刻 2009-11-25 06:39:08

あらすじ 美術大学を卒業したものの、超就職氷河期のせいで父親と同じ会社に就職することになったアキコ。そんな彼女の父親とは、会社で菓子パンをむさぼり、他人の話を聞かず、分かりづらい逆鱗をいくつも持つ、先の読めない男・林健一50歳。彼の伝説とアキコの苦悩の日々は、まだ始まったばかり――。

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この漫画のレビュー

6点 朔太さん

[ネタバレあり]

登場人物は、空気が読めない、事情が察せない人間達と人間事情に介入するのが
大好きな人間達の二つの類型化で構成されています。
前者の代表選手は、健一父さんであり、実在モデルが実父ということなので
驚愕致します。
中年世代だからという理由では説明できないほど自己中心の思考で、思い通り
にならないとブチ切れますので家族は振り回されぱなっしです。
これが漫画ネタの中心というわけですが、私には寛容さが不足していますので、
この種の人間が周りに実在すれば恐らく憎悪の対象でしょうね。

ネタバレになりますが、
・節分豆まきには、小銭を巻いてくれたと誤解して子供が喜ぶだろうと、
 鬼の父が豆に碁石を混ぜて子供にぶつけます。
 ぶつけられた子供は大人になっても、覚えています。
・中学生の長男が丹精込めて工作したものを、作品が不出来だという理由で
 たき火にくべてしまいます。
 いよいよ仕上げだと勇んで帰宅する子供の目の前で、鼻歌を歌う父親。
・家族の事情を踏まえず、勝手に沖縄支店転勤を希望してしまう。
 その他、話は聞かない、誤解を一人勝手にしてしまう等、
 いそうでいない傍若無人ぶりです。

しかし、その他にもトンチンカンなキャラ、独走気味のキャラなど多彩な登場
人物が多く、健一以外は許容範囲内のお笑いで済ませられます。いわばバランス
はとれている感じ。

以上は4巻までの寸評でしたが、5巻から11巻まで読み進めたコメントを
以下に致します。
前半ではストレスのたまる展開が多かったので評価は低かったのですが、
5巻あたりからはしっかりとした人間模様もからんで一気読みができました。

特に恋愛の駆け引き、手練手管は、女性漫画家ならではの裏技を披露されて
おり、興味深い面もあります。
漫画家を目指して上京を果たし、漫画家の卵たちの新たな登場とますます混線
する健一2号との恋愛模様が、前半とは明らかに違った漫画テイストを醸します。

私は5巻以降で健一父さんが登場しなくなったことで読書ストレスが消えました。
これは好みの問題でしょうが、猿渡女史や歯ブラシ近藤くらいのヤンチャぶり、
オタクぶりは可愛く思えるから不思議です。
節子や健一2号には我慢できない人もいるのではないでしょうか。

そういう意味では、自分がどのタイプの人間とは徹底して相性が合わない
なんて、リトマス試験紙のごとく使い方ができる漫画とも言えます。
一度お試しあれ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2016-09-21 22:41:41] [修正:2016-09-21 22:51:52]

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