ホーム > 青年漫画 > 週刊ヤングマガジン > 行け!稲中卓球部

7.52点(レビュー数:53人)

作者古谷実

巻数13巻 (完結)

連載誌週刊ヤングマガジン:1993年~ / 講談社

更新時刻 2011-04-15 20:23:20

あらすじ 熱血少年・竹田が率いる卓球部には、妖怪たちが住むという――。
変態の前野、 「あしたのジョー」オタクの井沢、ハーフの毒ガス王子こと田辺、ド級のムッツリスケベ・田中。副部長の木之下だけが、稲中一のモテ男!
個性豊かな部員がそろうこのクラブは、まさに変人の園……。
濃厚ピンポン・ライフ、ギャグの渦巻く青春グラフィティーのはじまり!

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この漫画のレビュー

7点 ほげさん

[ネタバレあり]

 永遠に終わらない「中学二年生」を描いたギャグ漫画。中学二年生という時期は、高校への進学を考えなくても良いし、本作の舞台になっている部活動の引退も考えなくても良い。一年生の時にはまだ慣れなかった仲間とはようやく打ち解ける時期でもある。一年生の緊張がなく、三年生の円熟がない。なんとなく自由な時期だ。それが永遠に(漫画が終わるまでは)続くと想定されているところに、この漫画の楽しさがある。

 この中学二年生という時期が、未熟ではあるが決して初心でもないという時期であることとあいまって、この漫画の大きなポイントである、「性」についてのアプローチがなかなか上手い。恋人のバストを触ったり、全裸にしてみせたりする男の子が出てくるが、彼等は決してセックスには至らない。変態wとされている前野なる主人公も、女性の性器を裏ビデオで見てしまい、苦しんでしまうという始末。それが笑いになってはいるのだが、中学二年生という曖昧な時期の、性に対するアプローチを適切に描写していると思う。

 下の人も言っていることなのだけれど、『稲中』のギャグ漫画としての独創性の一つに、「絵で笑わせる」というのがある。漫画太郎も同じなのだが、『稲中』では、笑いのシーンでだけ「絵」がギャグになる(ちょっとグロテスクな感じ)がそうでないシーンではシンプルである点が異なっている。鼻水をたらしたりよだれをたらしたりしないが、「ダウンタウン」や「ビートたけし」だのが昔やって子供に人気があった着ぐるみを着て笑わせている。だから、笑いはTVで映える芸人のそれに近いのだろうか。『稲中』が、普段漫画などオタクが読むものとして馬鹿にしているような若い世代に人気があったことを思い起こすと、TV芸人に近い笑いのセンスというのは、慧眼かもしれない。

 大分賞賛してきたのに点数が低いのは、私がTVで映える芸人が好きでないからなのかもしれない・・・

ナイスレビュー: 1

[投稿:2005-09-04 21:59:00] [修正:2005-09-04 21:59:00]

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