あらすじ
アメリカに本拠を置く世界的大企業のバーンズワース財閥。1代でその財を築き上げた現会長ハリー・バーンズワースの一人娘である花鹿は、幼い頃に誘拐されかけたためにカリブ海にある孤島で10年余りのあいだ世間から幽閉同然に隔離されて過ごしていた。だが彼女が14歳になったある日、世間に出ることを許され自らの希望で母の母国である日本の中学に通いだす。
しかしそれから1か月後、花鹿は突如ハリーからアメリカに呼び戻される。久しぶりに顔を合わせたハリーは、花鹿に「おまえは重い宿命を背負っており、世間から隔離して育てたのも本当はその宿命のためだ。」と告げる。そしてその宿命とは何かと問いただす花鹿に対して、ハリーはいきなり「ゲームをしないか。」と持ち掛ける。
備考 2009年4月から2010年2月までNHK BS2にてテレビアニメが放送された。また、2010年4月1日よりNHK総合テレビにて、毎週木曜日(水曜深夜)午前1:00?1:30の枠で放送されている。
この漫画のレビュー
8点 niveaさん
ド級セレブの美形男性キャラに愛されまくる超ド級セレブの少女が主人公という、いかにもザ・少女マンガ的な夢のような設定。
ですが、「ラギネイ」という仮想の一小国の政変劇がストーリーに絶妙に絡まり、ただの恋愛モノに収まらず、読み応えたっぷりの重量感ある展開になっています。ところどころに張られた伏線も最終的には収まるところに収まっており、ご都合主義な展開は山盛りにせよ、テンポが良いので読み終えた後には爽快感が残ります。
樹なつみさんが描く作品はどれもドラマティックなストーリー展開と女の子ウケする美形男性キャラ満載で、まさに宝塚歌劇でも見ているような陶酔感に浸れます(ご本人も関西出身とのこと、宝塚お好きなのでは・・・と勝手に推測)。中でもこの作品は「OZ」「獣王星」と並んで何度読んでもまた読みたくなるので、愛蔵用にと文庫版を購入しました。頭の中をからっぽにして読めるエンターテインメント作品です。
ただ、本当にこの方は魅力的な女性キャラを描くのが苦手なご様子です。どの作品中の女性キャラも、男性キャラに翻弄されてアタフタする「ちょっとバカで存在感の薄い女」的に描かれていて・・・(この作品の主人公の少女だけは別ですが、彼女はどっちかと言えば少年的な中性的キャラ設定なので別扱い)。
そのあたりも、ホントに宝塚的な娯楽作品だなあ、と感じる所以です。
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[投稿:2014-07-11 05:02:58] [修正:2014-07-11 05:02:58]