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7.25点(レビュー数:4人)

作者羽生生純

巻数5巻 (完結)

連載誌コミックビーム:1998年~ / エンターブレイン

更新時刻 2009-11-25 06:27:16

あらすじ その男、蒼木 門(あおき もん)。石で漫画を描くことに執着する自称・漫画芸術家。その女、証 恋乃(あかし こいの)。表ではOLとして、裏ではコスプレマニアの同人作家として名を馳せていた。男は社会から逸脱し、あくまで不器用に生きていた。女は時代に合わせて暮らす術を知っていた。運命のいたずらか、その男とその女は出会ってしまった。二人は互いに惹かれ合い、同時に相反する感性同士のぶつかり合いにより反発し合う。そんな二人の奇妙で純粋なラブストーリー。
 

備考 2004年に実写映画化され、第61回ヴェネツィア国際映画祭に出品された。
 

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この漫画のレビュー

7点 とろっちさん

羽生生流・純文学コミック。
ある種の異質で不気味な情熱が激しく飛び交い、読者を儚くも奇妙な純愛の世界へと導く作品。

自らの作品を芸術だと信じ、周囲に理解されないことを苦悩する門。
そんな門をコスプレのパートナー、自らの人形として囲う恋乃。
それぞれのプライド、信念、打算、エゴ、虚栄心、焦り、苛立ち、それらが激しくぶつかり合って
ドロドロに絡み合いながら、激しく狂い咲く恋の物語。

個性なんていう言葉で簡単に片づけてもいいんですが、とにかくこの作者は漫画家として
目指している地点、方向性が他の漫画家とは違うように感じられます。
その辺りが合わない人にとっては何やってんだかさっぱりで、読むのも苦痛な作品かもしれません。
作者の他の作品よりはずっと大衆向けで読みやすいですが、それでも濃さと熱さが凄いです。

最初の方は、全く異質で違う世界の人たちの恋愛もの、いやむしろ恋愛ものかどうかも
よくわからない展開が続きます。 感情移入する隙すら見つからないです。
なのに二人が本音と本音でぶつかり合うようになってきてからは、なぜか不思議と
それぞれのキャラの濃さがどこか身近なものに感じられるようになってきます。
他の方のレビューにもありますが、とにかく人物の描き方がすさまじく濃いです。
恋愛の汚い部分を小綺麗に描いている漫画なんて腐るほどあると思いますが、
醜い部分までを激しく赤裸々に描いている漫画なんてそうはないんじゃないかな。

事前に思っていたよりずっと面白く読めた作品でした。
でも終盤のアレがなあ…。
本当にこの手の恋愛話って特段必要ないのにアレな展開になったりしますが、少なくともこの作品では
全く必要な展開とも思えなかったので、そこが本当に残念。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-11-10 00:33:29] [修正:2011-11-10 00:33:29]

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