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5.2点(レビュー数:5人)

作者かざま鋭二

原作坂田信弘

巻数52巻 (連載中)

連載誌ビッグコミックオリジナル:1990年~ / 小学館

更新時刻 2009-11-25 06:41:36

あらすじ 栃木県鹿沼カントリークラブの研修生、沖田圭介は、24歳と、年齢的には遅いスタートながら、プロゴルファーを目指すべく日々練習に明けくれている。だが、沖田はまったくの素人であるため、まだ上手に球を打つことができず・・・。

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この漫画のレビュー

8点 シマヨトさん

[ネタバレあり]

読んでいたのは途中までですが、凄く面白かったです。(近年は間延びしすぎてあまり評判が良くないだとか)
ゴルフ漫画、いやスポーツジャンルでもかなりレベルの高い作品だと思いますね。
遅咲きのプロゴルファー、沖田圭介のストイックでゴルフに対する貪欲な姿勢に圧倒され、
綿密すぎて時にはクドいくらい、一打一打にも気を抜かない心理描写には重みを感じます。
ゴルフそのものに関してはあらゆる面で本格的な貫禄のある内容です。

コース内外問わず、琴線に響くような人間ドラマが多いです。序盤の宇賀神さんの死や
(一方的にですが)激しく対立し、その後キャディを経て和解する長谷川が居ますが
一番記憶に残ったのはアジアサーキットから登場したキャディのチッタ君ですね。
彼は酒癖が悪くタイオープンでいきなり大きく寝坊して、沖田は一人でコースを周る事になり
フィリピンに逃げ帰る直前で思いとどまり一言謝ろうとコースに向かうんですが…
その時の沖田の反応がまた・・・!叱るでもなく励ますでもなく、ただ笑顔で相棒の到着を待っているんですよ。
もの凄い人間性を持っています。耐えられず嗚咽を洩らすチッタの姿に思わず感情移入せざるを得ませんでした。
話は飛んで、サーキット終了後の別れ際にチッタが受け取った封筒の中にとんでもない物が入っていて
その時のチッタとデービス達の反応がまた切なさ満点でたまらないエピソードでした。

他にも、リリィや前述の長谷川などこの作品は魅力的な存在感のあるキャディが印象的ですね。
デービスのような陽気な人間もコース上ではギリギリの戦いで精神を燃焼させるのが熱いです。

あとこの作品、ゴルフやその周りの出来事を通じて人生観を追求する描写が随所に見られる。
かなり完成されている漫画ですね。

多分、全巻中読んだのは半分くらいだと思うんですけどそこまでなら面白さは保障できます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-07-11 17:44:05] [修正:2009-07-11 17:44:05]

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