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6.62点(レビュー数:86人)

作者村田雄介

原作稲垣理一郎

巻数37巻 (完結)

連載誌週刊少年ジャンプ:2002年~ / 集英社

更新時刻 2012-08-21 12:47:13

あらすじ 泥門高校1年・小早川瀬那。気弱な性格が災いし、幼き頃よりパシリ人生を送ってきた。だがそのおかげで(?)ズバ抜けた俊足を持つ瀬那は、悪魔のごとき男・ヒル魔によりアメフト部へと引きずり込まれるが!?

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この漫画のレビュー

8点 えりくらさん

 それはもしかしたら、かけっこであったかもしれない。

 勉強でも、スポーツでも、ゲームでも、図画工作でも、少し出来るようになってくると楽しい。楽しくなれば、もっと上を目指したくなってくる。仲間内で、クラスの中で、学校の中で、同じ地区の中で。やったからには、それを志したからには、どうしようもなく湧き上がって来る譲れない思い。

「一番になりたい」という思いだ。

 その欲求を満たすため努力をし、積み重ねた努力をもってして勝負をする。そして、勝つ。勝ったら、次。勝ったら、次。どんどんと高みを目指して邁進する。

 だけど、それをくり返すうちに段々と現実が見えてくる。世の中には凄い才能を持った人たちがいて、その人たちも自分と同じように「一番になりたい」と思い、日夜努力を続けている。負けたくない。だけど。ある日胸の内に一つの懸念が宿る。どんなに努力をしても、どんなに必死にそれを願い続けても。才能の差で、体格の差で、頭脳の差で、努力の差で、ちょっとした運の差で、それは叶わないのではないか。

 ひょっとしたら自分は「一番」にはなれないのではないか?

 そこで、自分の可能性を見限り、一切を諦めて生きていくことも出来るだろう。多くを望まなければ、泥沼に浸かっているような毎日でも、それなりになんとかやっていける。

 だけど。

 これは、そんな泥沼の中から力強く立ち上がった少年達の物語です。






 批判の多い終盤の展開も作者の「書きたかったこと」を考えると充分に頷けるんだけど、もう少し上手くやってくれたらと思わなくもありません。編集側の思惑もあったのかもしれないけど。アメリカ戦は最後に引き分けになったのは良かった。圧倒的な才能を持った阿含や峨王、大和ですら敵わないアメリカの選手達も実は同じなんだよ、と。

 それよりは、試合の終盤に差し掛かった所で敵側の選手が泣き言めいたことを言い出すシーンが何回かあるんだけど(巨深戦の水町、白秋戦の如月とか)、その方が気になった。アスリートとしてどうなのよ。

 あと、終盤になって突然次の対戦相手のことを喋りだす奴。やられる瞬間、急に饒舌になって負けを認めだす奴。漫画的表現というのはわかるけど、うーん。ジャンプ漫画全体にいえることかもしれませんけど、そういった漫画的表現のマニュアルに沿った手続きを踏むことに一生懸命になりすぎてやしませんかね?

 色々文句もありますけど、これを越えるジャンプ系スポーツ漫画は近年見当たらない、というレベルの漫画であることは間違いありません。おすすめ!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-20 05:36:45] [修正:2010-09-20 06:17:48]

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