あらすじ
家庭は極貧で、ろくでなしの父親は蒸発。貧しいながらも懸命に生きてきた風太郎にとって、心の支えとなっていたのは、優しい母親と風太郎に温かく接する近所の青年であった。しかし、治療費が払えない母は病死、自暴自棄になった風太郎は盗みに走り、それを咎めた青年を手にかけてしまう。
それを機に、風太郎の考えは大きく変わる。「銭があればいいのか」。風太郎は生まれ故郷を飛び出して成長し、偶然を装って大企業の社長一家に取り入り、陰で金銭の為に殺人を繰り返すこととなる。遂には、社長一家を死に追い込み、企業の乗っ取りに成功して、政界進出をも狙う。しかし、栄耀栄華を極めた風太郎は、誰もが予期せぬ末路を辿ることになる・・・。
備考
1970年、実写映画化。
2009年、日本テレビ系列でテレビドラマ化。
この漫画のレビュー
3点 punpeeさん
成人してから初めて読んだので、思い入れも無く、冷めたレビューになってしまいます。
貧乏が原因で愛する母親を亡くした事により、金に執着心を持った主人公。
野心と、強いコンプレックスを持ち、一部計画的、一部衝動的に行き当たりばったりで犯罪・殺人を犯しながら成り上がっていきます。
その過程が丁寧であれば、この作品の評価も大きく変わるのでしょうが、事の成り行きや周囲の反応、主人公を怪しんでいる人物との駆け引きが非常にチープなのが残念です。
また、画力や構成や演出、心理描写の陳腐さも踏まえ、当時は斬新であっただろう、溜めに溜めた表情やコマの間も、一切緊張感が無く不快に感じました。。
そういった完成度や緊張感が伝わらなかった事で、
「殺せば盛り上がる、
非人道的な事をさせたら盛り上がる」
といったエンターテイメント的な解釈に至ってしまい、ここでの高評価レビューに正直驚きました。
読もうか迷っている方に一つだけ言わせて頂くと、
作品に対して「丁寧さ」や「完成度」を求める方には合わないと思います。
「インパクト」や「個性」は十分にあるオリジナルな作品だとは思います.
本来、多くの方の心を動かすエネルギーを持った作品なのでしょうが、1意見として投稿させて頂きました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-27 17:58:22] [修正:2017-02-27 17:58:22]