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7点(レビュー数:2人)

作者三田紀房

巻数27巻 (完結)

連載誌週刊漫画ゴラク:1997年~ / 日本文芸社

更新時刻 2011-07-28 00:46:59

あらすじ 粗野で乱暴だが監督としての手腕は一流、“クロカン”黒木竜次が、破天荒な熱血指導で甲子園を目指す。

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この漫画のレビュー

7点 朔太さん

高校野球監督を主人公にすると、どうしても奇をてらった作戦、あるいは奇をてらった人物像を描くしか漫画にならないということでしょうか。
黒木監督の行動は常に常軌を逸しており、ことごとく学校、市民、マスコミどころか、肝心の選手たちにも反感を持たれて、大混乱します。
なぜ、そのような行動をするのか疑問だらけのまま展開が進むのですが、読者はその答えが欲しくて目が離せなくなります。
しかし、騒動が終わってみれば結果良ければ全て良しのまま、次に向かいます。
クロカンには、「常識はずれなことをしなければ勝てない」くらいのそれほど大した意図はなく、一か八か無茶苦茶やってみただけという何だか化かされた感じで続いていきます。

特に納得できないのは、オールディフェンスという先発とは全員が守備位置を変えて臨む守備体型。
それから、度胸をつけさせるために、あえて序盤から強敵に大量失点をされる作戦です。
その都度、選手たちからも信頼を失いながらも、苦境を脱する。
このパターンが全27巻の中で10回以上繰り返される印象です。

読み終えると、この監督は猪突猛進のB型タイプの人間だったということで、監督として有能でも何でもなかったわけですが、読み手に次も読んでもらうための仕掛けが常にされていたようです。
そういう意味では原秀則氏の「やったろうじゃん!!」に類似した構図にも感じますが、作風は全く別物です。

もう一つの問題は、絵が基本的に下手です。
それはそれで味わいがありますが、女性の描き分けが全くできないので、四人以上の美人が登場すると誰なのか判別できません。

ここまで、いろいろ問題点を列挙しましたが、最終巻あたりの感動はやはり揺るぎないものがありました。
クロカンの人間性には疑問がつきますが、ただ泥臭くチームを一からたたき上げていきたい情熱だけは一貫して感じました。
特に、最終話の終わり方は、クロカンの一貫した生き方が表れており、相応しいものだと思いました。

同じパターンが繰り返されますので、そんな風に感じた時点で終えて良いでしょう。
全巻読む必要はないと思いますが、私は27巻の最後まで読み切りました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-01-18 08:46:58] [修正:2023-01-18 08:46:58]

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