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7点(レビュー数:2人)

作者くさか里樹

巻数27巻 (完結)

連載誌イブニング:2003年~ / 講談社

更新時刻 2011-07-28 00:29:14

あらすじ 人はなかなか死ねなくなった。現実を真正面で受け止めなければならない介護の現場に入所した百太郎は、様々な体験を重ねて行く。そして老人との交流の中で百太郎はひとつの答えに辿り着く。「いい思いできねェんなら生きてる甲斐がない!!」

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この漫画のレビュー

6点 DEIMOSさん

漫画という媒体の持つ風刺性を強烈に活かした介護漫画。

まず、この漫画の描く介護現場はリアルだ。私は介護研修を受け、食事・入浴介助や排泄処理なども手伝ったことがあるが、この漫画の描写は実にリアルである。また、各巻毎に介護の中でも扱うテーマを変えてきており、飽きずに読み続けられる。

今更言うまでもないが、このリアルな介護現場で起きている問題は相当深刻である。超高齢化社会に突入する日本を救えるのは、百太郎や仁のような「大志を抱いた救世主」なのかもしれない!!とこの漫画は訴えるのだが、同時に、この漫画は、その期待に対する一抹の不安を投げかけている。
それは畢竟、制度でしか、国を変えることはできない、人を救うことが出来ない、という強烈なアンチテーゼである。
この漫画の述べるところは、末端現場のヒーローと役所や政治家が傀儡する制度改革の両方が必要だよね、っていう止揚に落ち着くのかもしれない。。

オムニバス形式で主人公不在のストーリー構成では、何か読者をワクワクさせるような求心力に欠ける気もする。百太郎や仁が、もっと大暴れしてくれれば、この漫画の評価は今以上になる。「ただのリアル」を超えてこそ、漫画のリアリズムは体現されるのかもしれない。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-02-01 02:21:03] [修正:2010-02-01 02:21:03]

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