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7.61点(レビュー数:31人)

作者美内すずえ

巻数49巻 (連載中)

連載誌別冊花とゆめ:1976年~ / 白泉社

更新時刻 2012-01-19 13:34:44

あらすじ どこにでもいそうな変哲の無い中学生マヤ。しかしお芝居に対し情熱的で役者のセリフは沢山覚えれるという特技を持っていた。 そんな中,彼女はかっての有名女優月影千草と出会う。

備考 1976年の「花とゆめ」創刊号から連載を開始。 1997年から長期にわたって休載されていたが、2004年約6年ぶりに再開された。 2008年より「別冊花とゆめ」に移籍した。 舞台化、ラジオドラマ化、実写ドラマ化、OVA化、アニメ化(3度)されたことがある。

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この漫画のレビュー

7点 オカシューさん

演劇に賭ける少女、北島マヤの物語。大人買いでどっぷり浸ってきました。

少女マンガというジャンルの広がり方は少年マンガに比べるとかなりちいさく感じる。
その大きな要因は「恋愛要素」にあるのではないかと思われる。

多くの少女達にとって恋愛こそ現在最大の関心事であり他のテーマを寄せ付けないほど突出している。
それゆえ少年マンガのように多くのテーマに分かれる事無くコメディにせよシリアスにせよ内容の中心部分は恋愛でかためられている。

恋愛は「醤油」のようだ。
多くの料理にあう万能調味料醤油があったがゆえに日本では他国のようにバラエティある調味料が発達しなかった。少女マンガもそんな日本と似ているのではないか。

そんな中、醤油(恋愛)をかくし味程度に抑えた少女マンガもいくつか存在する。
そしてそんな(少女マンガ的には)邪道な作品の中にこそ名作は多く生まれている気がする。

本作「ガラスの仮面」もそうだ。
これは完全にスポ根(スポーツ根性モノ)である。演劇を見事な手腕で屋内競技として描き出している。
(恋愛は脇役に徹していて私の好きな桜小路君などヒドい扱いになっている。その分最終章は濃い醤油味かもしれないが。)

近年少女マンガでスポ根を取り入れて成功した屋内競技作品と言えば「ちはやふる」が挙げられるか。 
本作はそんなスポ根モノの大先輩にあたるのではなだろうか。

しかしだからと言って誰かれに勧められるという訳でもない。
「ちはやふる」は現在のスポ根系少年マンガの洗練された最先端作(スラムダンク等)をベースに創られている。(トレスっちゃうくらい好きみたいだ)
しかし「ガラスの仮面」は魔球渦巻く古典的スポ根がベースとなっている。(事実「大リーグ養成ギプス」的なものまで作中に登場する。舞台あらし編)

つまりスポ根マンガであると同時に超人マンガ的内容にもなっているのだ。
私などは全然オッケーでうひゃうひゃ言いながら楽しめたのだが古い画風と合わせてこの辺は賛否両論かもしれない。(それにしても月影先生のパワハラはヒドい)

それでも昭和を越え平成までも生き続けたこの大作は多くの少女達に多大な影響を与え続けている。
以前テレビに美内先生が出演された時ファンから「お願いですから私が死ぬまでに完結して下さい。」というファックスが届いていた。

これはいろんな意味でマジである。いまだ未完の恐るべき大作なのである。
彼女達はこのマンガの結末を見届けない訳にはいかないのだ。

それは少年期にドラゴンボールに出会ってしまった男の人などにまま起こる事と同じで、もはや愛読書の一つではすまされずその人の「青春そのもの」と化しているのである。

北島マヤの青春こそ自分の青春。

読了後、本作を少女期に読めた人たちがとてもうらやましく思えたのだった。






ナイスレビュー: 3

[投稿:2010-08-04 20:09:29] [修正:2010-08-08 13:45:44]

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