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6.19点(レビュー数:72人)

作者諫山創

巻数34巻 (完結)

連載誌別冊少年マガジン:2009年~ / 講談社

更新時刻 2012-02-08 02:35:56

あらすじ 巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。

備考 2021年6月最終巻34巻発売予定

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この漫画のレビュー

10点 amazonlyさん

少年誌の中では間違いなく史上最高のストーリーの1つ。
プロット、ドラマ、セリフ、演出、衝撃展開、バトル描写、エンタメ性、メッセージ性
あらゆる面で素晴らしい。
弱点と思われがちな作者の画力も後半はちゃんと上手い人のソレだった。

「巨人に人間が立ち向かう物語」と思わせておいて、蓋を開けてみれば人間同士の醜い戦争の話であり重厚なヒューマンドラマ。
それもご都合で路線変更した訳ではなく露骨な後付けもなく初期から構想してたかのような伏線回収やどんでん返しが見事。
過去の台詞を過去で終わらせず後の話に活かすことが作者は異常レベルで上手いのでそれが確かな読み応えへと繋がり、作品に対する信頼になっていたんですよね。

キャラクターを「〇〇が悪で○○が正義」のような記号的な描き方をせず、だれもかれもが心の中に悪魔を抱えている。明確な悪役が存在せず、その一方で万人に都合のいい英雄も存在しない世界。

物語序盤では正義サイドに属しているかと思われていた主人公が自身のエゴにより最終的に人類史上最悪のジェノサイドに手を染めてしまうという前代未聞の結末も不謹慎ながらエンタメとしては最高に面白い。
そんな主人公に対して私が「最悪なヤツ」とはとても思えなかったのは彼が「自由になりたい」と言う人間の、生物の誰もが持っている欲求を誰よりも強く抱いていたからでしょう。
そんな我々読者もまた悪魔の心を抱いているのだなと。

人類の普遍性と争いが起きるメカニズムをここまで奥深く仕上げたフィクションは古今東西存在しないんじゃないでしょうか。

人類は争いをやめることができない愚かな生き物であるという諦めの結論に近い終わり方をしていたが、決してニヒリズムには傾倒せず「森から出続けなければいけない」「世界は残酷だが美しい」というに生に対して肯定的とも読み取れるメッセージもしっかり残していたように思う。



一般的な少年誌とは一線を画する読み応えだったが、それでいて「立体起動装置」「九つの巨人」のようなワクワクする少年漫画的ロマンも欠かさない。

第42話「戦士」や第100話「宣戦布告」は漫画史に残る最高のトリハダ回なのでぜひとも見るべき。


こう言う型破りで挑戦的な漫画こそが評価されるべき。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2023-03-14 01:19:58] [修正:2024-03-19 16:28:55]

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