あらすじ ねずみが人間の天敵になって2000年以上。ねずみは大軍を組織し、人々を襲う存在となっていた。とある王国で、最前線で天敵のねずみと戦い続ける勇者パイ・ヤンがいた。戦を終え、久しぶりに故郷へ帰れることになったパイ・ヤンだったが、故郷のポルカ村はねずみの襲撃を受け、息子・リオもねずみにさらわれ、残っていたのはリオが飼っていたとらじという子猫一匹。しかもとらじは「魔法のねずみ」によって猫mixにされていた。「魔法のねずみ」の匂いを覚えている、というとらじを共に、パイ・ヤンは息子探しの旅に出る。
備考 第1話が2005年に、小学館の『月刊flowers』の2月号付録で発表され、2007年に『凛花』が創刊されたのに伴い、第4話「犬と夜霧と灯台ねずみ」より同誌にて本格的に連載化される。初編発表から4年の歳月を経て、単行本第1巻が刊行された。
この漫画のレビュー
7点 bkさん
ねずみと人間が戦うファンタジー世界で
半人半猫にされた猫と、猫の飼い主の父親(勇者)が冒険するファンタジー漫画。
堅物の勇者パイ・ヤンが猫に対して素朴な疑問や驚きを見せる描写が面白おかしくて見どころ
らしいのだが、個人的には自分も猫をよく知らないので、そこは「らしい」としか言えない。
というか、肉球の構造とか、箱に入りたいとか、パイ・ヤンの驚きの方に共感してしまう。
こんなこと考えるのは自分だけなのだろうか。
まあ、よく観察してるなーとは思う。
RPGのように、敵のねずみを倒したり封じたりして次へ進むストーリーではある。
なんだか少年漫画のようだ。
しかし、やはり田村由美先生の漫画の面白いところは、
キャラどうしが互いに影響しあって
成長したり、自分の考えを変えていくところにあると思う。
心がすれ違ってしまったパイ・ヤンと妻のジョゼが少しずつ融和していく過程や
とらじとの交流を通じて、だんだんととらじを大切に思うようになっていく
パイ・ヤンの心の変化が読んでいて心地よい。
完全にファンタジー漫画で科学考証とかは無意味。
不思議なことは魔法の一言で済ませられるので、
ある意味、科学考証とかで粗になる部分が無いので、
それは良いといえるかもしれない。
それにしても、パイ・ヤンは作中で結構貶されているけど、
どにゃるのは確かにどうかと思うけれど、
個人的にはむしろパイ・ヤンの生真面目さに好感を持つのだが、いかがなものか。
ちなみにこの漫画、PCで描いてる部分もあるらしいけど
田村先生の作画は緻密な感じではないので、あまりうまく作用してないようにも思える。
あとは刊行ペースが超スローペースなのがちょっともどかしい。
とはいえ、お勧めです。
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[投稿:2012-02-22 20:48:44] [修正:2012-02-22 20:52:40]