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5点(レビュー数:1人)

作者内田春菊

巻数1巻 (完結)

連載誌ガロ:1986年~ / 青林堂

更新時刻 2010-12-28 00:51:12

あらすじ 高校生のちよみの身体が、ある日突然小さくなってしまった。原因はまったく不明だ。恋人の南くんとの不思議な同棲の様子を淡々と、しかし切なく甘く描く内田春菊初期の代表作。
発表当時、ラストシーンが喧々囂々(けんけんごうごう)の話題となったこの作品は、時代を超越し、今なお漫画史上に燦然と輝く傑作恋愛作品といえる。
(文春文庫あらすじより)
 

備考 1998年に文藝春秋社より文春文庫として刊行された。
1990年、1994年、2004年の3度にわたってテレビドラマ化されている。
 

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この漫画のレビュー

5点 とろっちさん

何度もテレビドラマ化され、非常に有名なタイトルの作品。
ドラマも漫画も未見でしたが、先日、漫画版(というか原作)を初めて読みました。
うん、何だこれ?

事前のイメージから、「ほのぼのピュアなラブコメディ」を勝手に想像していましたが、そうきたか。
掲載誌が少女漫画雑誌ではなくガロの時点で気付くべきでした。
と言いつつこういうちょっとダークな方が個人的には好みだったりしますけど。

人間が小さくなる話なんて山ほどあると思います。 この作品もそのうちの1つ。
付き合っている彼女が突然10分の1のサイズになってしまった。 原因は不明。
ただ、ファンタジー溢れる設定ながら、この作品で主に描かれているのは現実じみた生活の様子です。
トイレの用意、風呂の世話、食事の残り物をいかにして調達するか、衣服や下着の作成。
そのうちに、南くんも彼女を恋人ではなくペットと同じように扱っていることに気付き、反省したりします。
性的な描写も多数あり、どぎつい表現も多数あり、ラストがまた衝撃的。

巻末の解説に納得。 確かにちよみではなく南くんが小さくなっていたら、小さくなった原因を
究明しようとしたり元に戻ろうとジタバタしたりして、こんな話にはならなかったと思います。
ちよみは小さくなった時点で他の選択肢は全て捨ててしまっています。 もう南くんしか残っていません。
小さくなったのがちよみだったから、「小さくなっても南くんと一緒にいられるのなら構わない」と
受け入れることができてしまったのかな。

ちよみの一途な想いと、それを受け止める南くんの優しさ、愛情。
受け止めざるを得ない南くんの葛藤。

考えようによってはものすごく深い作品です。 最後の小鳥との対比なんかは特に。
「ママ、ピーコはどうして……?」 「小さいからよ」

ちよみは幸せだっただろうか。
 

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-12-28 00:54:05] [修正:2010-12-28 01:23:33]

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