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7点(レビュー数:3人)

作者笠井スイ

巻数1巻 (完結)

連載誌短編集:2011年~ / エンターブレイン

更新時刻 2011-05-18 22:16:38

あらすじ 昏き森を照らすような。
「ジゼル・アラン」の笠井スイ、初の短篇集。
デビュー作から、最新作まで心に光が射す瞬間を描く全8篇。

備考 短編集の為連載開始年には発行年を表記。

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この漫画のレビュー

7点 booさん

fellows!掲載の読みきり作品はもちろん、作者の同人時代の作品まで収録された8篇からなる短編集。
内容は優しいほのぼののとした作品から、絵や雰囲気を楽しむ作品、笑える作品、考えさせられる作品まで多岐にわたる。テーマが明確ですっきり読める話が揃っているので短編集としてはかなりいい出来だと思う。デビュー作や同人で描いてたものとは思えないほど精密で美麗な絵なのでそれだけでも見る価値はあるはず。
以下気に入った短編について少し…結局ファンティエッタ以外全部にw

花の森の魔女さん…デビュー作。魔女と噂されるしゃべらないお婆さんと2人の兄妹の交流を描いた優しい雰囲気の作品。この作品では線のタッチが細くて五十嵐さんみたい。

月夜のとらつぐみ…表題作。これと水面の翡翠はそれぞれ鳥を可愛く擬人化したアートとも言える作品に仕上がっている。笠井スイの世界観全開の雰囲気が楽しめた。

仏頂面のバニー…笑ったことを誰も見たことがないと言われるバニーちゃんを親父達があの手この手で笑わそうとするお話。コメディ色が強くてかなり笑わせてもらった。この雰囲気は少しジゼルに受け継がれてる気がする。

Story Teller Story…01と02の二作で、まさかの同人時代の作品。このクオリティで同人とは驚き。
01では優しい嘘をついた男、02では嘘をつかざるをえなかった女性が自身の嘘に耐えられなくなり、嘘をつく相談をしてくれるという「ストーリーテラー」の所へ向かうという内容。他の短編と異なって、ページ数も多くシリアスな話となっている。02の最後には驚いた。まさかそんな話だったとはね。

猫とパンケーキ…妻に先立たれたじいさんとみなしごの女の子の話。誰かより先に死なない人なんていない。「そうこんな温度があった…」再びパンケーキより熱い大切な人を見つけたじいさんが泣かせます。私が一番好きな話で、これが最終話のおかげでいい読後感が残る。

ジゼルから入っても楽しめるし、幻想的な世界観が好きな人にもおすすめ。
今まで読んだ短編集の中でもかなり好みの作品だった。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-13 22:53:23] [修正:2011-10-27 17:52:24]

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