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6.55点(レビュー数:9人)

作者原哲夫

原作監修:武論尊

巻数22巻 (未完終了)

連載誌週刊コミックバンチ:2001年~ / 新潮社

更新時刻 2011-01-12 13:14:07

あらすじ ここに一子相伝をもって秘匿され続けてきた究極の殺戮暗殺の拳がある。その名も「北斗神拳」!
この拳法の創始はおよそ1800年前、三国志の時代にさかのぼる。まだ小勢力であった西方の浮屠教徒たちが群雄割拠する乱世にあり、その教えを守り生き抜くためにあみだした秘拳であった。ただあまりに凄絶なその秘拳は太平の世には死神の拳法として忌避され、今はただ伝説として語られるのみであった…。

しかしその死神の拳法を正義で貫き通す熱き漢がいた。それが「閻王」の名で恐れられ、1930年代の魔都・上海を震撼させた漢・・・霞拳志郎であった!

備考 『北斗の拳』の過去を描く物語で「北斗の拳サーガ」のエピソード3にあたる(『北斗の拳』本編はエピソード4)。
隔週連載。
2006年から2007年にテレビ朝日系列にてテレビアニメ化された。
連載中に週刊コミックバンチが休刊になった為、未完のまま終了した。

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この漫画のレビュー

6点 FSSさん

[ネタバレあり]

何だかんだでこれも長期連載になってきた。一応、連載開始時から全巻買ってはいるから、つまらない訳じゃないけど、取り立てて面白いと言うほどでもないのは何故だろう。

第二次世界大戦前の上海という舞台や、ヤクザの抗争に巻き込まれて行くという設定は面白いが、主人公の拳志郎の立ち位置が微妙に中途半端で、わざわざ「北斗神拳伝承者」を作品に絡ませていく必然性が弱いように思う。ヤクザの関係者に「北斗」絡みの人間が出てくるから戦っているだけ、という印象が強い。

重要人物がきっちりと死ぬ展開があるので、そう言う意味では緊張感があるが、敵として出てきた相手が戦いを通じて仲間になる、もしくは良いヤツになるという王道パターンも健在で、良くも悪くも予想通りの展開が多く、戦いの動機付けの弱さと共に、それに伴うメインキャラの人物像も薄っぺらくなっている。

それと不遜を覚悟で言わせてもらうと、やはり原哲夫氏はいわゆる下手ウマの逆、上手ヘタ(?)タイプの作家だと思った。絵を描いている人なら分かると思うけど、つまり「細密に描かれた絵」=「上手い絵」ではないという事なのだ。リアルに描く事は簡単だが、漫画として面白い動きや魅力のある絵を描く事とは別で、そういう意味で原哲夫氏の絵は漫画的な意味での「面白味」に欠けると言わざるを得ない。そのせいで戦闘シーンにいまいち迫力やメリハリが感じられないのだろう。例えば「ドラゴンボール」の戦闘シーンと比較すると一目瞭然で、鳥山氏の絵にはキャラの動きに流れが見えるが、原哲夫氏の絵はリアルではあるが、動きのダイナミズムや迫力に欠けていて全体的に静止画のような印象が強い。

またストーリーに関して言えば、「北斗の拳」も後半は迷走気味だったが、今作もギース死亡以後は迷走している感じ。特に最近のヤサカ編は引き伸ばしそのもの。飛燕が死ぬ展開など、非常にキャラの扱いが中途半端で不満が残る。この辺も「北斗の拳」の悪しきパターンを踏襲している。ヤサカもキャラとして魅力が無い。

この作品もヤサカ編が終わったら潔く終わって欲しい。

PS.それにしても「西斗月拳」と言うネーミングは、もう少し何とかならなかったのだろうか?ヤサカ編が終わったら「東斗星拳」とかw。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2008-01-22 21:06:25] [修正:2008-01-22 21:06:25]

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