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応天の門
作者:灰原薬

雑誌:月刊コミックバンチ

 レビュー全文  

8点  :朔太さん 

平安朝時代の京都を舞台に巻き起こる怪奇事件と権力闘争が
メインテーマです。
在原業平と菅原道真がなかなかの名コンビぶりを見せます。
事件は鬼や物の怪などが原因とされますが、真相は人間たち
によるもの、道真の才覚によって科学的に解明されるので、
ちょっとした金田一少年のような名推理で活躍します。

事件の背景には、朝廷で勢力争いを繰り広げていた
藤原氏や伴氏といった有力貴族の暗躍もあって、
政治的な駆け引きも見ごたえがあります。
何といっても、ヤング道真のクールな眼差し、政治や
出世には距離を置き、将来は遣唐使になりたいという
現実逃避型の価値観で人間臭さを見せます。

一方、業平ら周辺の人間は、道真の才覚を認めつつ、
その才覚を公平公正な世の中のため、ひいては逃避したい
社会を変えるために活かすには、権力を持たねばならない
と緩く諭します。

才ある者の若いゆえの悩みがなんとも言えません。
単行本には、本郷和人氏による平安時代の文化・風俗に
関する解説文が織り込まれており、これも何とも
言えず格調高い作品にしています。
15巻まで面白く読ませてもらいました。
[ 2023-03-14 08:32:04]
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