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お〜い!竜馬
作者:小山ゆう

雑誌:週刊ヤングサンデー

 レビュー全文  

9点  :souldriverさん 

史実を大きく外れた漫画的な展開や人物の評価が偏っているところに多少疑問は感じるものの、歴史をベースにした長編作品としては抜群に出来が良い。各人物は旧来のイメージを壊すことなく、かつ新しい人物像で生き生きと描かれており、様々な人物が複雑に絡まりあってできた幕末の潮流を絶妙なバランスで再現している。
特に人斬り以蔵や武市半平太、新撰組や亀山社中の面々には並ではない愛が感じられる。と言っても溺愛ではなく、それぞれの光と闇をしっかり分別して描いているのが評価できる。

序盤に「身分差別への反発」というテーマが強烈なインパクトとともに突き付けられ、この骨格を非常に明確に示していることが作品全体に説得力を与えている。
また要所のやりとりは創作とは思えないほどリアリティーがあり、重要な場面とそうでない場面の描き分けが上手い。
歴史の授業ではある種ミステリアスな印象を与えられる竜馬が、この作品の中では誰よりも人間味に満ちた竜馬なのだ。

最大の見せ場である薩長同盟成立以降の展開が少しだれるが、大河ドラマの必然なので仕方ないところ。
よくここまでやり切った! と素直に賛辞を送りたい。
[ 2007-06-21 15:30:08]
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