いばらの王
作者:岩原裕二
雑誌:コミックビーム
レビュー全文
6点
:右から左へ。さん
作者が最終巻の帯で述べているように、B級映画の大作を観た後のような読後感。辻褄を合せるために話が分かりづらい部分もあるが、気にしなければ読んでいける。気楽に読んでほしい。個人的にはエイリアンvsプレデターのノリに近い感じ。
古城脱出活劇と銘打っているだけあって、古城の不気味な雰囲気、わけのわからない状況下での登場人物の狼狽ぶりなどは、うまく描けている。主人公の心理描写はそこそこできているが、他の登場人物の描写が、いい加減であったのが残念か。
絶望的な状況下におかれた主人公たちが、何とか打開策を見つけていこうとする姿や、徐々に明らかになっていく世界の全貌などは読んでいて面白かった。
ラストが性急すぎる、ご都合主義すぎる、という意見も多いが、話をダラダラと伸ばすよりは、6巻という手頃な巻数で作品をまとめた作者を称賛したい。何より、B級映画がいくら丹念に登場人物の描写をしていても、上映時間が5時間だったら疲れるし、爽快感も薄れるのではないかと。その点は、この漫画も同様。
気楽なノリで、いちいち突っ込みを入れていかなければ、そこそこ楽しめるのではないかと。人物描写が深いわけでもなく、読んでいて考えさせられるような場面も特になかったが、気軽に楽しめた。よって、良質な漫画、6点とした。
[ 2008-10-12 20:31:18]
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