姫ちゃんのリボン
作者:水沢めぐみ
雑誌:りぼん
レビュー全文
10点
:いーらびさん
何よりも、ポコ太の存在に満点をあげたくなる。
大切にしてきたぬいぐるみが動いて喋るなんて、正に女の子の夢。
姫ちゃんとポコ太のふれ合いが可愛くて微笑ましくて、
ずっと大事にとっておきたくなる様な漫画。
友情と恋愛と、家庭や学校での、いわば女の子の日常の描き方が楽しい。
繰り広げられる人間関係が、とにかく明るくて爽やか。
登場人物一人一人も皆魅力的で好感が持て、終始心地よい気分で読める。
特に大地と姫ちゃん、キャラそのものと2人の関係が、数多くの恋愛漫画を押しのけて一番好き。
とってもお似合いな上、やりとりが自然で痒いところも無く、読んでいて爽快。
何より、この作品の素晴らしさは、母の目線で描かれているということ。
自分が母親になってみて改めて、作品に潜む愛情深さに気付き感動した。
主人公視点だけではないストーリーを動かす力、そんな見守る大きな愛に溢れた作品。
作者自身が姫子の母親になっているところや、大地やエリカの存在も然り、
何と言ってもその象徴はポコ太。
悩みを聞いてくれたり、一緒に喜んだり悲しんだり、時にはたしなめてくれたり。
いつも傍にいる家族でありながら、一番仲良しの親友でもあるような存在が、
こんなに愛らしいマスコットだなんて、姫ちゃんが羨ましい。
女の子なら、きっと誰もが欲しいと思うポコ太を、生み出してくれた作者に感謝したくなる。
最終巻は、何度読んでもボロ泣き。
お気に入りのぬいぐるみを大事にしながら子供時代を過ごして来た女の子が、
恋をして、大切な人を得て、段々と大人になっていく過程で、訪れるそのぬいぐるみとの別れ。
それをこんなにも感動的に描いてくれるなんて。
ここまで上手い終わり方をした少女漫画は、見たことが無い。
無駄の無い軽快な運びに、心優しい愛情がいっぱい詰まった名作。
女の子は是非読んで欲しい。
というか、読みなさい。
[ 2013-04-08 12:41:13]
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