風の谷のナウシカ
作者:宮崎駿
雑誌:アニメージュ
レビュー全文
6点
:勾玉さん
ナウシカの最後の選択は受け入れ難いものがあった。
個人的には、世界の理を捻じ曲げようとも貪欲に生を求めた、
旧世界の人間達の方が、自分にとってはよっぽど英雄と呼べる存在だ。
確かに「浄化」と称し生命を作り変えたその所業は人間のエゴと言えるかもしれないが
だからと言って、ナウシカの最後の行動も正当化されるものではないだろう。
生命の本来あるべき姿を尊重し、
自然のままに亡びさえも受け入れようとするナウシカの姿勢は崇高なものだとは思うが、
人類の存亡に関わる重大な選択を自分の思想だけで判断してしまうのはどうなのだろうか。
その上、腐海の真実や墓所でのやり取りを、他の人間に打ち明ける気も無いらしい。
独断で人類の存亡への道を閉ざし、他者へは選択する術も、
真実を知る権利すらも与えなかったナウシカもまた、
強烈なエゴイストのように思えて仕方無かった。
と、まあ結末には納得は出来なかったものの、
物語のスケールの大きさと細部まで考え抜かれた独自の世界観は文句のつけようがありません。
余談ですがワイド版は紙質も悪いし、無駄にでかくて本当に読み辛い。
単行本サイズの新装版とか出してくれないかなあ。
[ 2012-09-13 16:37:23]
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