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鋼の錬金術師
作者:荒川弘

雑誌:月刊少年ガンガン

 レビュー全文  

9点  :kagehiensさん 

最初は、「なんか編集部が力入れて押してきてる作品だなー」ぐらいにしか思わなかった。

そしたら、なんか重い設定出してきて、「あぁ、これは設定をさばききれなくて空中分解する可能性があるな」と思って見てた。

しかし連載3年目ぐらいに入ったあたりでも一向に空中分解する気配がないので、「これはヤバい作品かもしれない」と思うようになった。

さらに9年目ぐらいに入ると、最初から出てて、かつ特につながりがあるとは思えなかった伏線が、あれよあれよという間に話の本筋に飛び込んできて、「毎号毎号鳥肌ヤバい」状態になった。

ところで、漫画作品では話を非常に盛り上げることに成功していても、着地で失敗する作品が非常に多い。
なので、この作品の終盤を読んでいたときは、常に「無事に完結してくれ・・・!!」という祈りの気持ちを持って読んでいた。

最終話を読み終えたときには、「日本の漫画史に大きな節目ができたな」というのが掛け値なしの感想だった。
なにせ、思いっきり盛り上げたストーリーを着地させるだけでもすごいのに、この作品は何か人間世界の真実に通じるものを中に包含しながらそれをやってのけたのだ。


この作品は長期間にわたる連載だったために、人によっては初めて読んだときにすでに巻が進んでしまっていて、とっつきにくい印象を持つようなこともあったのではないかと思う。

しかし幸運にも興味を持って読み始めることができた人は、序盤から何度も反芻しながら読むことで大きな感動を得ることができる筈である。「きれいに完結した大作は?」と聞かれたら間違いなく筆頭にあげられるべき作品。
[ 2012-08-03 01:48:21]
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