宮本から君へ
作者:新井英樹
雑誌:モーニング
レビュー全文
9点
:polojoさん
サラリーマンマンガの表の傑作が「課長島耕作」ならば、裏の傑作はこの「宮本から君へ」だと思います。
新井英樹の初期の作品ということで、画力はまだまだ低い時期です。
しかし新井絵の特徴である『生々しさ』や『生活感』の片りんを所々に垣間見ることができます。
このマンガの面白い点はストーリー展開を読者の予想を裏切りながら、物語が展開します。
例えば宮本が七転八倒しながら頑張り続けるという点は、他の熱血系主人公と同じですが、「これだけ宮本は頑張ったんだから、報われるだろう」といった予測というか願望はあっけなく覆されることが多々あります。
「うわぁ」とか「またかよ・・・」とか読者はそのたびにがっかりするのですが、本当にまれに努力が報われた瞬間は宮本と同じぐらいに「よっしゃああ!!」という気分にさせてくれます。
そしていつの間にか、宮本に感情移入していることに気づいてしまうのです。だから宮本に投げかけられる登場人物のセリフもまるで自分にかたられているかのように心に突き刺さるのだと思います。
『課長島耕作』も十分に傑作ですが、島耕作のあまりの有能ぶりや幸運が鼻につく人には、是非ともおすすめの漫画です。
(むしろ、人生うまく行っていない人が多いので、島耕作より感情移入できる人は多いと思うのですが・・・)
[ 2013-05-12 21:00:17]
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