ありがとう
作者:山本直樹
雑誌:ビッグコミックスピリッツ
レビュー全文
7点
:いーいす。さん
私も白い犬さんのレビューに興味を持ち読んでみました。
主人公(お父さん)の立場にたって読んで、極めて悲惨な体験をさせてもらいました。漫画文化の重要な一面だと思います。あと思ったのは最後まで読んで良かったということです。
私はこの漫画には年齢制限が必要だと思います。たとえ性交場面に厳重なモザイクを施したとしても年齢制限をすべきだと思います。
正直言って読んでて辛かったんです。
心にだってきっと育つのに必要な順番があります。絶望とか孤独とか理不尽とか憎悪とか破滅とかそういったものを知り学ぶ前に、必ず知って味わって体感しておかなければならない事がある筈です。
個人差も大きいでしょうし一概に早い遅いで片付けるのも難しい事ではありますが、いちおう最低限の年齢制限を示しておくのが社会の良心であると思います。
なぜか最後まで貞操は守り続けた妻、身を持ち崩しもせずにありえない頼もしさで立ち直りつつある長女、父に対する心は真っ黒でありながらも逃げずに正面から相手をしてた次女。
一家の破滅に際し肉体的にも精神的にも真っ向から立ち向かい戦い続け、ついには終わりまでをも自分の思いどうりにさせてくれた家族に対し、父は臨終の際に枕元で「ありがとう」とつぶやいて息を引き取る。
それらのことで一体なにがどうであれ、自分の中において感謝をもって完結させることが出来た者こそがそのことの勝者だと思います。 「ありがとう」 がいいたいことの一つにそんなことがあるような気がします。
[ 2009-12-01 16:29:34]
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