るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―
作者:和月伸宏
雑誌:週刊少年ジャンプ
レビュー全文
7点
:鋼鉄くらげさん
黄金期以降、落ち目に来ていたジャンプを支えていた作品の一つです。物語のテンポも良く、世界観もしっかりと出来ているため結構好きな作品なのですが、やはり物語の鍵となる人誅編では、少し納得のいかない部分があります。
京都編での勢いが嘘のように、人誅編では話の流れが鈍化していきます。その中で最大の山場となる「薫の死」を巡っては、作者自身の、どうしたらいいかと右往左往する姿がはっきりと見てとれます。
最終巻の作者コメントを見た限りでは、本当は薫は殺すべきだったが、読者の反応が心配だったため、敢えてああいう選択を取ったという風に見受けられます。
確かにヒロインが死んでしまってはハッピーエンドとは言い難く、後味も悪いかもしれません。しかし、だからと言って、無理に描きたいものをねじ曲げてハッピーエンドの形を繕っても、それはハッピーエンドとは言えません。単に体裁を整えただけです。
結局、殺すべきか殺さぬべきかという問題ではなく、周りの目を気にして妥協してしまった事が問題のように思います。
[ 2008-02-11 23:11:24]
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