イキガミ
作者:間瀬元朗
雑誌:ビッグコミックスピリッツ
レビュー全文
5点
:アメさん
全国民は小学校入学時、ある液体を注射される。液体には、0.1%の確率で時限的に効果を発揮する微少カプセルが入っており、「当たった人」は18?24歳までの間に突然死する。
国民に死の恐怖を植え付け、生命の大切さを知らしめることで日々の生産性を向上させ、国家繁栄につなげる狙い。該当者には死亡24時間前にその事実が知らされ、それを伝える文書が「イキガミ」、主人公はその配達人だ。
イキガミという設定自体がまず秀逸で、その点だけでも高く評価できると思う。
死を目前にした人間ドラマが展開され、命とは何か、制度とはどうあるべきか、などを描くことにある程度成功している。
ただ、残念なことに、途中からは、イキガミをもらった人間が残りの時間をどう過ごすか、といったバリエーションを見せられる展開が続くことになり、マンネリ化してしまった。
主人公がイキガミ制度自体に疑問を感じたり、反体制派にはスパイが目を光らせていたりといった要素もあるので、その辺をさらにふくらませて、行き過ぎた管理社会によるディストピア像を詳しく構築できれば、重厚な作品になっていたのではないか。
[ 2013-02-06 20:18:43]
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