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放浪息子
作者:志村貴子

雑誌:コミックビーム

 レビュー全文  

9点  :まねきんさん 

作者が本当に楽しみながら作品を描いているのがひしひしと感じられる。
「性別」という難しいテーマでありながら、思春期における成長やキャラクターの心情を、台詞を抑えて間で読ませる志村節を有効に用いることによって、非常に説得力のある作品になっている。
登場人物の何気ない仕草や表情を捉えつつ、きちんと次のエピソードへと繋がる細かい心理描写はすばらしいの一言に尽きる。

性転換云々などのディープな部分ではなくて、『かわいいいい服を着たい』『女でありたくない』といった、ひょっとすると読者も経験したことのあるかもしれない、12歳前後に見合った等身大の描写が中心となっているのも作品の魅力であろう。
この先、異性の立場から見た性別についてをどこまで掘り下げられるか楽しみである。

ただ最近の展開で気になっていることがひとつ。
志村さん、キャラに入れ込みすぎてませんか?
『敷居の住人』後期のようなあっさりさも時には必要だと思います。それに肝心な問題について小出しに先送りにしすぎている気もしないでもありません。
あまり心配はしていないのですが、今気になっていることはそれですね。

[ 2006-07-25 23:09:16]
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