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藤田和日郎短編集 夜の歌
作者:藤田和日郎

雑誌:短編集

 レビュー全文  

7点  :橙木犀さん 

収録されている作品の趣向それぞれに特徴があるので、読んでいて全く飽きません。得られるものも、スカッとした爽快感か、ジーンと胸に広がる感慨か。
はたまた違うものが見えてくるのか。
私の場合、何度も読み返すうちに、5作品全てが1つのテーマで貫かれているように思えてきました。


憎しみと哀しみの糸で操られる美しき姫君と本気で戦おうとしない忍びが織り成す活劇「からくりの君」。

手に入れたいものを手に入れるために強さを求めながらも、握られたままの拳で何も掴めない自分に苦悩する武術家が、新たな道を見出す物語「掌の歌」。

夜に潜む己の内にある恐怖と向かい合おうとする少女。
そして、自分の中にある心の闇から目を背け、迷い続ける探偵。
そんな二人が桜舞い散る夜に出会い、自分にとっての夜の闇と対決する怪奇ロマン「夜に散歩しないかね」。


上記の3作品も、残りの2作品も「自分と向かい合う」ことがテーマのように感じます。
自分から踏み出すきっかけも、巻き込まれた中で与えられるきっかけも、がむしゃらにやり抜ければ、最後はどっちでもいいんじゃないかな。
読んでいて、そう思えました。








[ 2007-07-13 11:11:39]
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