ひとひら
作者:桐原いづみ
雑誌:コミックハイ!
レビュー全文
6点
:とろっちさん
声が出なくなるほど極度のあがり症。 やりたいことが見つからない。 自己主張ができない。
周囲に対して、友人に対して、自分自身に対して、どうしても一歩が踏み出せない。 前に進めない。
そんなもの凄く後ろ向きな主人公が強引な勧誘と不運な巡り合わせとで演劇に出会う話。
漫画をちょっとでも読み慣れた人なら、第一話を読んでその後のあらすじが何となく頭に浮かぶはず。
そしてその思い浮かんだ展開は恐らくながらあながち間違いではないはず。
そのぐらいに特段の捻りや意外性に欠けるような作品。
他の方のレビューにもあるように、数多くの漫画の中からこれを選ぶ必然性にも魅力にも乏しいです。
せっかく張った伏線を思いっきり無視したりするし、主人公は見ていてイライラするしで、
作者にとって初の連載ということもあってか最初の方は特に読みにくかったですね。
ただし、つまらないかと言えばそんなことはなく、特段の期待もせずに読んでみたら
思いのほか面白かった作品という印象です。
何だかんだでキャラの造形が上手くて皆それぞれ個性をはっきりと読み取ることができ、
作者がしっかりと話を作るというよりは各キャラが勝手に動いて話が出来ていくという感じ。
至極オーソドックスな展開なのに気が付けばどんどん話に引き込まれていきます。
成長物語かどうかはさて置き、「やってて良かったって思える」ものに出会えた彼女は実に幸せ。
ジャンルや主人公の性格などは違いますが、「宙のまにまに」なんかに近い空気を感じます。
自分はずっと運動部でしたけどこういうのを読むと文科系の部活が楽しそうに見えて仕方がないです。
綺麗にまとまりすぎていて、現役の学生の人が読んで共感を得られるかは正直わからないですが、
かつて学生だった人がノスタルジーに浸る作品としてはなかなか良いのでは。
[ 2011-10-25 01:16:30]
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