ZOOKEEPER
作者:青木幸子
雑誌:イブニング
レビュー全文
8点
:ruruiさん
熱を視覚認知できるヒロインが動物園でさまざまな問題に立ち向かう?ジョブ漫画
もやしもん以来、微妙な一芸主人公が増えてきたイブニングにおいて
彼女の特性は凄い
のだが、必ずしも飼育員として有効的なものとは言えない
そもそも、動物の様子などは温度を見るより経験則からの判断のほうが妥当性が高い
体温からくる真偽判定能力も、洞察力で補える上に公に使用できない
しかし、新米飼育員でしかない彼女は動物園にまつわるさまざまな問題をクリティカルにあぶりだす
それは果たして彼女の持つ特殊能力からなのだろうか
その答えは作中で園長がある程度出している
実は彼女の能力はその高性能ゆえに脳に負担を与え続ける
それゆえ彼女はいつも本格的にモノを見ることを避け続けていた
ようは彼女は観察眼などの能力を自らの手で無意識的に封印してきたのだ
そんな彼女が自分の能力に向き合い、初めて本格的に対象者と向き会うことにより、常日頃から見続けていた飼育員ですら見過ごすような問題に気がつくのである
つまり、彼女にとって熱を視覚認知するという特殊能力こそが足かせであったのだ
自らの足かせに気がつきそのうえでその能力を役立てようと奮戦する彼女の姿は決して格好のいいものではない
また、現実を半分ぐらいしか見ていなかった彼女の思想は非常に青臭い
だが、やり手の園長はじめ、個性的な飼育員に囲まれることによって彼女自体の偽善性などが鼻につかないような構成を、この漫画はとっている
この漫画において見られているのは動物のみならず、彼女、または彼女の周りの人物達なのだろう
動物を介在とした人間観察眼の確かさに今後も期待したい
[ 2007-06-26 19:37:40]
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