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ドラベース ドラえもん超野球外伝
作者:むぎわらしんたろう

雑誌:月刊コロコロコミック

 レビュー全文  

7点  :臼井健士さん 

まず、読む前に誰もが思ったことだろう。
「ドラえもん」+「野球」って、一体どんな漫画だよ???、と。
このサイトの方の多くもおそらくはそうだし、自分もそうだった。

確かに藤子先生の原作「ドラえもん」にも野球のシーンは出てくる。
けれど、原作においてそれをやるのは「ジャイアン」であり「スネ夫」であり「のび太」で、ドラえもん自身が野球をプレイしていたシーンは自分が思い出す限りではなかったはずだ。

つまりドラえもんと野球なんて、原作においては全くと言っていいほど接点のないもので、その2つを融合させて「ひとつの作品」としようなんて通常の発想では思い付かない。それをやったのが「この作品」だ。

しかし、原作はこのサイトでも評価の高い、知らない人を探すほうが難しいくらいの知名度を持った名作。
その世界観を使って「別作品」を描こうなんていろいろな意味で「冒険」だ。
下手したら「原作の知名度を利用して売っている」くらい平気で言われかねないと思う。
そうなったら、おそらくは「作者は一生言われ続けるだろうし」、「編集部もその存在が続く限り叩かれ続けた」ことだろう。
事実、そうなる危険性もあった。

それを回避できたのは、弱小チームが少しずつ強くなっていくという王道的なストーリー。
「ドラえもん」というロボットキャラでありながらも、各キャラの見事な顔の描き分けと性格付け。
そして「普通の野球」に「ドラの世界の秘密道具」を試合に使用できるという独自のルールをプラス。
「友情」「協力」「仲間」という原作と同じキーワードを踏襲しつつ、原作には有り得なかったライヴァルたちとの「対決」と、それに伴うスポーツ漫画ではある意味常識の「熱血」という要素を加えた(むしろ、この2要素が前面に押し出されている)ことにより、「原作とは違う立ち位置」で「もうひとつのドラえもん」として読者に認知されたことにある。

画力も高く、原作とは違った意味で「非常に見やすく、上手い」。
コロコロ連載作品では「歴代でも上位」だろう。
アニメ化されれば・・・「1話完結式のドラ」しか知らない多くのファンに、劇場映画ではないテレビシリーズで「全く違った長編ドラの魅力」を広く認知させることは確実だ。

[ 2010-07-03 09:11:07]
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