夏目友人帳
作者:緑川ゆき
雑誌:LaLa
レビュー全文
6点
:臼井健士さん
この世の境目に生きるものたち「妖怪」を見ることのできる少年が、それ故に受ける受難の日々を描く・・・・・・。
こう書くと、今市子先生が描かれている「百鬼夜行抄」と似た印象だが、実際に読んでみると両作品は「非常に近いジャンル・雰囲気・キャラ立て」であることが判る。
ただ、百鬼夜行抄の主人公・律が特殊能力など持たず(妖怪が普通に見えてしまうという点が夏目と同じくらい)、「基本的には起きる事件の主体ではない」のに対して、この作品は主人公が祖母から妖怪を操り統べる「友人帳」というアイテムを受け継いでいるという点が大きな違い。
よって夏目のほうは毎回の事件に律と比して主体になれる分だけ「積極的な関わり」をしている印象。
用心棒の妖怪が周囲にいたり、親族が主人公が妖怪が見えることのルーツにもなっていたりと、両作品の共通点は多いです。
ただ、読み切りとしての扱いで掲載されたお話が多いので、
「毎回毎回、夏目が妖怪が見えたため周囲の人間から疎外されてきた過去」
を冒頭に「前フリ」のように入れるのは「続けて読んでない新規読者への配慮」とは理解しつつも、こうしてコミックスとして発売された後にまとめ読みしてみると、続けて読んでいる人には
「ややうっとおしい」印象がしてしまいます。
それと上記はあまりにも「夏目の孤独」だけを強調してしまうという結果も招いてしまっています。
百鬼夜行抄の律もロクに友人もいないなどしているのですが、この作品ほど「孤独感を強調されている」というわけでもありません。
両主人公の性格的な違いもありますが・・・・とりあえず上記2作品を「読み比べてみれば」私の言いたいことが分ると思われます。
[ 2011-12-04 20:02:04]
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