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包丁人味平
作者:ビッグ錠

雑誌:週刊少年ジャンプ

 レビュー全文  

8点  :ガクちゃんさん 

料理漫画の古典。
ガキの頃、出てくる料理を見ては唾を飲み込んでいた。
その後(と言ってもかなり後)乱立した料理漫画を読んで、ものたりなかったのは、この食欲を直撃する熱さではなかったか。
現ジャンプの画一化してしまった"バトル"とは違い、血沸き肉踊る包丁勝負にくわえ、当時の少年誌でデパート商戦まで取り上げたのは、非常に先鋭的だった。
包丁貴族団英彦との戦いと、カレー編が面白いのは、味平が目指した大衆料理のコックへの道に沿った流れであり必然。
荒磯勝負は派手だが、今だにゆでた魚と焼いた魚が同一と主張する味平の論理に不条理を感じるし、ラーメン勝負も安易に過ぎた。
しかし、本作には、後年の作者が失ってしまったものがすべて詰め込まれている。すなわち、若さと汗が生み出すど迫力。
味平の単純で太いキャラクターには非常に魅力があり、かつてのよき少年漫画主人公の典型である。
「ガーン」の擬音はいまやギャグ漫画でさえ見られないが、真っ向から使っており、それがど真ん中のストレートのようで心地よい。

ジャンプコミックスに載っていた味平ライスのつくり方を文庫版にも収録してほしかった。
しかしジャンプコミックス版の表紙に使われていた味平ライスには目玉焼きがのっていていかにもうまそうだったが、本編にはのっておらず、なぜだろうと今でも不思議である。

[ 2009-01-31 20:59:54]
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