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ダブルフェイス
作者:細野不二彦

雑誌:ビッグコミック

 レビュー全文  

6点  :朔太さん 

8年に亘る連載と24巻完結を思うと、長編ならではの一貫性とエンターテインメントを感じる作品でした。

<展開>
・前半は世間の小悪を見つけては退治する「世直しマン」の陳腐さが鼻につきます。世を忍ぶ冴えない街金サラリーマンを装いながら、小悪党と遭遇するなり「負債あり」とかなんとか言いながら自分の利益につながらない征伐をする単発読み切り風のお話が延々と続いていました。
10巻くらいまで続いた後は、主人公春居の過去との因果とからめて、巨悪の柳原代議士との対決が始まります。
隠されていたはずのヒーローの過去や正体まで敵に知られるようになってくると、それまでの無敵感からそれなりのハラハラ感が生まれてきます。
様々な敵味方あるいは正体を探るジャーナリストを並行に登場させるあたりは巧妙でした。

<作画>
・ベテラン細野不二彦ですので、安定した筆使いではありますが、いつまでたっても上手い絵とは思えないのは私だけでしょうか?
・一方で巨匠手塚治虫の影響を受けたかのような人物画も嫌いではありません。

<エンターテインメント性>
・ダブルフェイスの題名通りに、表裏の顔を持つヒーローの活躍は、前半は狙い通りとは言えず、飽きがくるものでした。
しかし、その表裏二面性が崩壊する危機が近くなればなるほど面白さが出てくるという構成でした。後半だれがちな作品が多い中で、最終話にかけて盛り上がりを見せる作品です。

ギャラリーフェイクとともに、長編2大作品として細野氏の代表作になりました。
[ 2016-12-04 17:21:43]
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