茄子
作者:黒田硫黄
雑誌:月刊アフタヌーン
レビュー全文
8点
:赤い車の男さん
まずキャラクターが良い。
ひとりひとりの性格やセリフ、仕草にいたるまで、不自然に強調された嘘っぽさがない。
すごくナチュラルにキャラの魅力を描けているんです。
特に女の子がいいね。そう特に道重さんが。
精神的に自立した誰にも媚びてない態度とか、フラフラしてるようで妙にリアリストなところとか。
この娘こそ、黒田硫黄作品を象徴する存在のような気がする。
次はあれだ、細かい演出が巧い。
例えば、自転車レースの話。
レースの状況を描くシーンで、そのレースを映すテレビの画面を描いたりするんだ。
テレビの画面そのまんまだから、コマの端っこのほうに現在の順位や選手の名前が描き込まれてたりするわけ。
これ初めて読んだときにすごいびっくりしたのを覚えてる。
あとあれ、三巻にでてくる巨大なバイオ茄子みたいなもん描いてもくだらなく見えないところ。
だってね、普通なら「はあ?なんだよこれ」とか「ありえないって、フフン」みたいな冷淡なリアクションになりますよ?
富士山の上にめちゃくちゃ大きい茄子が生えてて、その蔓が人間を襲いだすなんて、、、まるで漫画みたいな話じゃないですか!?
あ、今書いてて解った。
黒田硫黄の漫画って「まるで漫画みたいな」出来事や人間を描いても許されてしまうんだ。
だってね、
口から烏が出てきたり、生身で空中を飛び回ったりしてもリアリティが消滅しない漫画なんて今時ほっとんどないよ。
それってすごくないですか?
でっかい茄子がバイオハザードですよ!?
あ、しまった。脱線した。
[ 2006-12-04 03:04:52]
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