エリートヤンキー三郎 第2部 風雲野望編
作者:阿部秀司
雑誌:週刊ヤングマガジン
レビュー全文
2点
:何某何さん
前作から長く読み続けていて、
爆発的、と云う程では無いにせよ、
そこそこ面白く結構楽しめた漫画なのだが、
どうにも、最近のは無残な程全く笑えなくて読んでいられない。
その理由は、二つある。
一つは、「登場人物の改悪」だ。
連載が進むにつれ登場人物達がひとりでに動き出して物語が面白くなる、
と云うことは良くあることで、この作品も初期はそうだったのだが、
近年はそれが見られず、むしろキャラクターを強引に動かしていて、
その原形をとどめなくなったキャラははっきりいって見苦しいの一言に尽きる。
昔はバカバカしさの中にも、一応一本筋が通っているようなモノがあったのだが、
今や無理矢理にねじ曲げ過ぎてしまったので、
作品全体がごちゃごちゃとしてまとまりが無くなって収拾がつかなくなってしまっている。
もう一つは、「取り上げるネタの不味さ」だ。
ここ最近はちょこっと混ぜたり題材にしたり取り上げたりするネタが、あまりにも
シャレになってなくて生々しくてリアルで重苦しくて気が滅入ってくるものばかりで、
読んでるうちにどんどん、素直に笑う気が失せていってしまうし、
それでいて作品内のコンセプトは、あくまでも「明るく楽しい」笑いのままにしているから、
正直言って痛々しくて到底笑えるようなシロモノではない。
シリアスな路線に踏み込みもせず、ダークな笑いも開拓しないという、
思い切った方向転換のできなかった中途半端さが、
この作品をただ惰性でダラダラ続いていくだけの漫画にしてしまった原因と言えるだろう。
でも、そんな最近の作品の質の「劣化」が、
この漫画の全盛期をも貶めてしまっているのかどうかと言われれば、
それはそこまでにはなっていない、って言わざるを得ないんだよねぇ……
だって……全盛期、と言ってもねえ……
[ 2010-01-04 21:25:55]
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