パートナー
作者:小花美穂
雑誌:りぼん
レビュー全文
8点
:ジブリ好き!さん
どんぴしゃりでした!
この「閉鎖的な異常地帯からの脱出劇」というジャンルは最高に好きです!(長編なら「いばらの王」とか)
双子の恋愛が引き剥がされ、異常地帯へいざなわれる。
伏線込みのこの一連の流れに惹きつけられて、一気に読み耽る。
狂気と絶望の渦巻く中、希望を失わず努力する3人。
それでも、運命は残酷な方へ傾いて行く…
死んだと分かっていても、心惑わされるんだなぁ…その理屈は「愛」って単純なものだけど、実際は賢みたいになっちゃうくらい、人によっては本当に深く重いものなんだろう。単純でよくあるネタだけど、やはり恋愛分野は少女漫画家の十八番、素晴らしい心理描写ですごく説得力がありました。
展開的には終始シリアスですが、適度なギャグが多く、重すぎずに読めるよう配慮されてます。「適度な」というのは、シリアス雰囲気を壊すほどではない、という意味で、大爆笑じゃなくて、あくまで重すぎないようにするためのもの。その具合が秀逸でした。
この手のジャンルでは、脱出するのはまぁ当然ですが、後日談でハッピーエンドになるものとバッドエンドになるものがあります。
この作品はかなり後味の良い仕上がりで、キャラに感情移入できただけに良かったです!
欠点は、博士がアメとムチな人なのは構わないけど、ラストで博士が双子の偽装にすぐ気付かなかったことはいただけない。自分で作ったわけだし、天才なんだからそれくらい気付くだろうし、そもそも警戒するはず。結果的に大した問題ではなかったけどね。
それにしても少女漫画は思い切りが良いというか…少年漫画や青年漫画以上のダークさがありますよね。展開やキャラの生き死になど。心理描写もうまい分、雰囲気もダークにしやすい。そこが少女漫画一番の魅力なのかなぁ。
完成度の高い短編、見かけたらぜひ手に取ってみては?
[ 2010-04-03 04:21:45]
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