ふたつのスピカ
作者:柳沼行
雑誌:コミックフラッパー
レビュー全文
1点
:anonymousさん
「仲間はかけがえのないもの」「夢をあきらめないことが大切」という青臭いことをくどいほど描いているくせに、安易に人を殺しすぎる。
秋の死に方は、あの描写では自殺したことになってしまうし、秋の妹は、大きなトラウマを持つことになってしまうのに、作者がそのことにまったく気付いていないように感じられる。
トモロウと佐野が大学で一緒にロケットを作っていた関係だとすると、佐野の獅子号の設計案に対して、本人に直接言わないのはトモロウの人物設定からして不自然であり、佐野がトモロウを避けるのはともかく、トモロウがまったく口も訊かないのはおかしい。佐野が今日子のことを好きだったとしても、これほどまでに人間関係が壊れるのは、よほど泥沼の三角関係で無ければあり得ないが、佐野とトモロウの人物設定ではそうはならないはず。
トモロウが退職金も遺族補償金も受け取らずに、アスミをほったらかして、肉体労働で借金を返済したのは、親としての責任よりも、自己満足を優先したことになってしまう。
叙情的な作品とされているが、実際には深い部分の心理描写ができておらず、作者の精神的な未成熟さが作品に現れてしまっている。
[ 2010-08-25 15:25:09]
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