ARIA
作者:天野こずえ
雑誌:月刊コミックブレイド
レビュー全文
9点
:臼井健士さん
水の惑星となった未来の火星を舞台に、
地球からゴンドラ漕ぎとなるべく1人やって来た少女の日常を描く
「AQUA(水)」の続編とも言うべき新シリーズ。
まず驚くべくは「恐ろしいまでの絵の美麗さ」。建物・空・水にそれが顕著!
イタリアのベネチアというモデルはあるものの、これほどまでに繊細な筆で、
かつてベネチアの水上都市と、そこに暮らす人々の日常を紙面上に再現することが出来た作家はいなかった!
前作「AQUA」でもその絵の美麗さは際立っていたが、新シリーズに移行して
それにさらに磨きが掛かったのがスゴイ。
まるで異国の地に足を踏み入れ、自身がそこに滞在して共に日常生活を営んだかのような
錯覚に読者を陥らせるのはあたかも「作者の振る杖で魔法に掛けられるが如し」。
ストーリーは少女の日常と時に起こる火星のイベント・不思議な生き物たちとの交流と、
争いなどとは無縁な(主に)3人の少女たちの成長物語である。
永遠に続くと思われた楽しい日々・・・・。
が、それも終わる日が必ず来る・・・・・・・。
灯里がそのことを自身の成長と共に意識したそのとき!
読者も彼女と同じ目線で「人生における出会いと別れの意味」を
読前よりも成長した心を以って受け止められることだろう。
「アリア(詠唱)流れるとき、水(アクア)満ちて、全ての人の心、優しさに包まれる」
[ 2010-06-27 10:52:50]
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