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ヨコハマ買い出し紀行
作者:芦奈野ひとし

雑誌:月刊アフタヌーン

 レビュー全文  

10点  :lowtech711さん 

これは強烈に良い作品だと思う。

主人公の【アルファさん】はロボットで、岬の上でカフェを営んでいる。本作品は水没しつつある未来の日本が舞台。お客にコーヒー出したり、横浜まで豆を買いにいったり、旅をしたり、友達と遊んだり、泳いだり、楽器を弾いたりと、アルファさんの日常生活がメイン。近未来ということでSFファンの僕がワクワクする設定もたくさん出てくる。

作中ではおよそ10年の時が流れる。時間の経過と共に日本はどんどん水没し、アルファさんを取り巻く環境も変わる。登場人物達には成長する者もいれば老いる者もいる。

でも、アルファさんはロボットであるがゆえに変化がないんです。

巻数を重ねるごとにジワジワとその物悲しさを読者が感じとっていく。周りの人が大好きなのに同じ時間を生きていないような錯覚。変化と不変の対比がとても切ない。そういう心情を、表情と間と演出で見事に表現している。でも決して不幸な終わり方をしないのに僕は非常に救われたし、この物語の【ほのぼのとした日常の幸せ】、『Life is beautiful』の精神を強く感じることが出来た。

こういう綺麗な漫画はなかなかお目にかかれるものではない。

かなりオススメ。
是非、御一読を。
[ 2010-07-08 00:58:47]
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