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ヨコハマ買い出し紀行
作者:芦奈野ひとし

雑誌:月刊アフタヌーン

 レビュー全文  

9点  :kikiさん 

たらたらした漫画は苦手なのですが、この作品は別格。
最初かわいい絵柄でロボットの女の子がカフェを営む話って
なんかあざとい感じがするなぁとしか思ってなかったのですが…
読みすすむうちにアルファさん達の世界にどっぷりはまってました。

連載が終わった時はがっかりしたし(続けようと思ったらいくらでも
続けられそうな漫画なのに!)、今でも時々読み返してしまいます。

不思議な黄昏の時代。世界のあり方の説明は全然なされてないけど
ものすごくしっくりきました。
海に沈む街灯が光るシーン、形が崩れた富士山、地上からみあげる
ターポン。こんな風景が見られるなら世界の終焉も悪くないなぁ。

ちょっとした物事を見て楽しむ。バイクで、歩いて景色を楽しむ。
(特に一人で)そういうのが好きな人にはたまりませんね。

ほんと何気ない話で、くどい説明も写実的な画でもないのに
読んでいると、色、味、匂い、湿気や温度、手触り、空気などなど
自分の感覚もゆさぶられる時があります。
ココネが色や音でできているってセリフがありましたが、まさに
彼女達を通じて読んでるこちらもそれらを刺激される気がします。
すごい漫画だなぁ。

そして時間は流れ行くのに変わらないアルファさん。
いつもはノホホンした感じの彼女の切ない思いがたまりません。
先生からペンダントを譲り受けるシーンとラスト一個前の夕凪通信
ではホロリと涙がでてしまいます。
切なくてでも暖かさがあるラストは素晴らしい!

ちょっとした描写やセリフだけで読者にものすごく色々想像を
させる稀有な漫画だと思います。
[ 2011-07-16 13:09:51]
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