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NARUTO-ナルト-
作者:岸本斉史

雑誌:週刊少年ジャンプ

 レビュー全文  

7点  :為亀さん 

 自分でも曲解のような気はしますが、一視点として書かせていただきます。

 普通に読んでも楽しめる作品な事は間違いないんですが、作品全体の中心となるテーマに「ニヒリズムからの脱却と存在意義の確立」を据えて読んでみると違った深みがあると思います。

 木の葉崩し編での大蛇丸、ガアラの台詞はそれぞれでみるとキャラクターの心理を表しているだけであるかのように見えます。しかし、二人の台詞を関連させてみると二人で「存在意義の確立とニヒリズムの思想」について語っているように見えてきませんか。
 それに対して、ナルトと火影さまの提示する答えが他者の存在です。他者の存在によって人は存在意義を得、またニヒリズムから抜け出すことができるのだ。と反論するわけです。
 その一方で、他者に自分の存在意義を丸々預けきってしまう存在として白を描くことで、その危うさも提示しているのだろうと思います。

 そう考えると、サスケがさらわれた時の話がまた違って見えてきます。サスケをつながりの中に引き戻そうと追いすがるナルトたちと自らつながりを断ち切ろうとするサスケ。
 これはつながりを絶対視するナルトたちに対して例え一人であっても存在意義は打ち立てられる、強い強い感情は自らの存在意義となり、ニヒリズムをも突き破るんだ。というアンチテーゼとして描かれているのでしょう。その結果サスケは完璧に一人になり、全てのつながりを断ち切ることを選び、今に至るわけです。

 最終的にナルトとサスケとの戦いに決着がつくとき、作者のもっと突き詰められた作中テーマへ回答が提示されるであろうことを願っております。


[ 2007-06-09 02:03:41]
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