はだしのゲン
作者:中沢啓治
雑誌:週刊少年ジャンプ
レビュー全文
8点
:ガクちゃんさん
少年期の多感な時期に読んで、大げさに言えばトラウマになった。
今の若者がこの作品を素直に受け入れる事は難しいかもしれない。
戦争に対しての姿勢が一貫していない、ストーリーが分裂、テーマも途中から分裂というような印象を持つ人もいるだろう。
作者は、まず原爆の恐ろしさを伝えなければという使命感に駆られ、描き始めた事は圧倒的な悲劇の物語序盤からも明らかである。
実体験に基づいた描写から、キャラクターがひとりでに歩き出す。ゲンがとにかく生き生きとしている。そのバイタリティーへとテーマもストーリーも主体を移していく。運命に負けずに懸命に生きていく主人公がとても力強い。なんとか生き抜ける事はできまいか。作者も悶々と悩んだのではないか。放射能の影響で髪の毛が全部抜けてしまった少年が生き抜いていけるのか。少なくとも生き抜こうとしなければならなかったのだ。そういう作者のあがきの記録ととれなくもない。
孤高の漫画とも言え、採点不能なのだが、その歴史的価値故8点。
[ 2010-01-15 22:54:50]
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