ささめきこと
作者:いけだたかし
雑誌:月刊コミックアライブ
レビュー全文
6点
:臼井健士さん
女の子が女の子に恋する所謂「百合系」の漫画。
ただ、舞台が他作品なら「女子高」が当たり前のところを「共学校」を持ってきたり、
どちらかというとコメディ要素が強い作風などが異色な作品。
自宅が空手道場で、お兄さんが3人いて、勉強が出来て、スポーツも出来る村雨純夏さん。
その親友は可愛い女の子が好きですと公言して憚らない風間汐さん。
親友が好きで、その親友が「同性愛者」だと知っていても、
「自分は彼女の眼中にはない」と知ってしまっている辛さ。
彼女に自分の気持ちを知ってもらいたいと思う反面、
知られたら友達ですらいられなくなってしまうかも・・・・と思う度に、
硬直してしまう心。
風間さんは自分を一番の親友と信じて、無邪気に気持ちを吐露してくれるが、
その度に辛くなる。
「なんとか彼女の好みのタイプになれないだろうか?」
好き故に女の子同士であっても「危ない妄想」をしてしまうのは恋に対する不器用さの表れであり、その辺は普通の男女の恋愛と全く変わらない。
女の子同士の恋をテーマにした作品は、ここ最近は特に増えているように思う。
それはやはり男子同士に比して「絵的に美しい」ことも大きな理由ではあるだろう。
逆に「美しい絵」が描けることも作品として成功するための大きな理由だと思う。
両想いになれたとしたって結婚できるわけじゃない。
身体の関係を結ぶことは出来るかもしれないが、背徳感が伴う。
そもそもがそんな道である。負けを覚悟して物語を紡がねばならぬ。
アニメ化して良かった!
などと、素直に喜んでもいられない作品であります。
[ 2010-09-11 18:15:05]
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