軍鶏
作者:たなか亜希夫
雑誌:イブニング
レビュー全文
9点
:団背広さん
俺は基本的にヘヴィな内容のものが好きだ。漫画以外でも、映画でもなんでも…
地獄のような凄惨さを味わわせてくれるものに俺は敬意を評する。
なぜならそれは「本物」だからだ。作者が手を抜いていない本気の表現があればこそ、読み手は地獄を感じることができる。
この「軍鶏」も、数少ないそんな作品のひとつ。
この漫画を読んで不快感、嫌悪感を感じる人は多いと思う。残虐描写は直接的だし、主人公の傍若無人ぶりも半端ではない。特に女性には評判が悪いだろうな…
しかしそこを飲み下せる人には是非、この漫画を読んでもらいたい。
この作品は犯罪者が主人公だが、犯罪者を擁護しているわけではない。この作品はどうしようもない悲しみを背負った人間の、すべてを賭けた戦いを描いている。
報われない人間が、血反吐を吐きながら自らの肉を削ぎ落とすがごとく戦い続ける様を描いているのだ。
成嶋亮はその背負ってしまった業の重さ故に永遠に救われることはないだろうが、それでも彼は戦い続けるだろう。
その姿に、俺は言葉で表現できない何かを感じて、たまらなくなる。
(2006.2.28追記)
とはいえ、トーマ編に入ってからのグダグダを考えるとやはり点数を下げるのが妥当かな。できれば完結するまでは追記したくなかったけど、これだけ巻数が出てしまったのではね…
中国編だけならまだ許せたんだが、その後はちょっとな。正直言って蛇足感が否めない。ホント、残念だよ。−1、9点。
[ 2005-05-19 17:57:30]
団背広さんのページへ
この漫画のTOPへ
▲このページの上に戻る
[家]ホーム
ランキング
漫画を検索
[MAIL]お問い合わせ
漫画レビュー.com