愛しのアイリーン
作者:新井英樹
雑誌:ビッグコミックスピリッツ
レビュー全文
8点
:kazuさん
このままでは一生結婚できなさそうなどド田舎の農家の息子と
その男に金で買われて結婚するフィリピーナの恋愛物語。
恋愛物語?
違うかも。訂正。
ロマンスの欠片も無い、ド田舎で繰り広げられる泥臭い人間模様を描いた話。
結婚したいからってフィリピーナを金で買う主人公、家族のために金目当てで結婚する花嫁、金のために娘を遥か遠くの国に送る母親、田舎の世間体とシガラミに縛られた挙句、娘を殺そうとすらする姑、日々痴呆が進んでいく父親、etc・・・。
出てくるキャラみんな、どいつもこいつも
最高にエゴイスティックなんだけど、どうしても憎めない。
それは、現実には到底いなさそいうなキャラクターなのに
でも、みんなどうしようもなく人間らしいからだと思う。
新井英樹は、人間をデフォルメするのが天才的に上手い。
それでいて、登場人物たちはみんな紙面からはみ出すほどの
生命力とかエネルギーで溢れてる。
最高に愛すべき最低のエゴイストたちが繰り広げる、珠玉のラブ・ストーリー。
岩男とアイリーンの間に愛は無いけれど、
物語自体は人間愛に満ちてる。はず。
[ 2008-01-27 22:40:21]
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