ヒメアノ〜ル
作者:古谷実
雑誌:週刊ヤングマガジン
レビュー全文
9点
:rokaさん
「こういうふうにしか生きられない」ということの絶望が、古谷実という作家のテーマなのではないかと思っている。
育った環境も幼少期のトラウマも関係なくて、「決まってしまっている」ことは、あるのだ、と。
(余談だが、映画版は、この文脈を逸れてしまったのが、個人的には残念だった。映画の出来はよかったけれど。)
なぜ、そうなってしまうのか。
例えば、人殺しに。
そこに理由がある人もいる。
でも、それが理由なき必然である人もいる。
じゃあ、どうすればいい?
どうしようもない。
だから、絶望なのであって。
そのテーマを「こちら側」から描いたのが「ヒミズ」で、「あちら側」から描いたのが、「ヒメアノ?ル」なのだと思う。
この人の作品は「焼き直し」とよく言われる。
そうかもしれない。
けれど、裏を返せば、古谷実という人は、何度も同じテーマに向き合っている、ということでもあるのではないか。
その姿勢が、僕は嫌いではない。
[ 2017-06-25 23:26:59]
rokaさんのページへ
この漫画のTOPへ
▲このページの上に戻る
[家]ホーム
ランキング
漫画を検索
[MAIL]お問い合わせ
漫画レビュー.com