おとぎ奉り
作者:井上淳哉
雑誌:月刊コミックガム
レビュー全文
8点
:gundam22vさん
和風退魔アクション系漫画。当初はコテコテの物語スタート、ステレオタイプなキャラ、画力はあるのに安定しない絵などで正直外れかなって感じだったです。
そこからいろりという女の子の仲間キャラ(変な関西弁だけどヒロインよりバトルして、可愛さもあり存在感がある)が出て来てから面白くなって来て、六臣家の因縁・敵の目的など物語全体の構図が明らかになったと同時に、警察や自衛隊が出撃する大事になってから目が離せずに最後まで一気に読めました。最初から妖怪の迫力は素晴らしかったのですが、それが中盤以降の話のスケールの大きさに伴い活きて来て、画力の向上・安定が重なり、なかなか見れない画力レベルでの妖怪バトルアクション漫画になりました。一見の価値があります。話も編ごとに進めるやり方が分かりやすく、それを重ねて進み終わってみれば上手に展開して畳んだと思います(神道信奉者は引っ掛かるかもしれませんが、作中の神は態度がやたら傲慢なので自分としては納得の終わり方です)。
自分が買ったのは豪華版全8冊で全台詞の見直し、結末の修正がなされているようですが、台詞回しがしっかりしており、結末も痛みを残しつつカタルシスを感じる良いバランスでした。ステレオと前述しましたが途中でヒロインに彼氏がいることが発覚したり、主人公に好意を寄せてくれる幼馴染が存在感を発揮したりして、その中で惹かれ合う主人公とヒロインの関係が興味深くなり、結末もハッキリとは明示しなかったのも余韻がありました(今後結ばれるんでしょうが上記二人の存在もあるので、あの時点では正解な演出でしょう)。
次回作で現在連載中の「BTOOOM!」も完結したら読んでみたいと思いました。こちらの方がマイナー作品ですがもしかすると出来が良いのではと思うほど隠れた良作だと思います。
[ 2015-01-18 14:45:18]
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